club"Numbers"


色々注意

※ホストクラブパロです※

・人によってはメットレス・擬人化ネタと思うので注意
・文体がぐちゃぐちゃ&わざとわかりにくい表現を使っているので注意
・設定ぶっとび注意

※読んでる最中でやばいとおもったら即バック。
※※これを読んで生じた不利益などは一切責任を負いかねますので…。





重厚な木製の扉に手をかけると、レトロなベルがガランと鳴った。
扉を開けばそこは外とは隔絶された別世界。まるで浮世とは思えないような華やかな空間が口を開ける。
橙の光を放つ照明は、強くも落ち着いた雰囲気を作り出し、ところどころに置かれた豪勢な調度品を照らす。
革張りのソファに、赤い絨毯、その下に顔をのぞかせるのはモノトーンの大理石の床。
生花がこれでもかという程贅沢に配され、芳しく濃い香りを放っていた。
 
 
「今日もトップは変わらず、か。」


入口の、最も目立つ場所に並べられた写真の額を入れ替えながら、一人の男性がつぶやいた。
慣れた手つきでいくつかの写真を並べ替え、その順番を確認してゆく。


「ハッ!俺がそう簡単にトップを明け渡すわけないだろう!」


そんな男性の呟きを聞いていたのか、裏手から出てきた一人が彼の言葉に反応した。
颯爽と朱を身に纏う彼は、自信満々という風に笑みを浮かべ、自身の写真の位置を確認しに行く。


「やはり一番とはいいものだな。」


彼は満足げにうなづいた。
誰から見ても整った顔立ちの下で、細い金の装飾具が光る。


「お前なんて顔だけで頭ン中空っぽだろーがよ。」


彼と一緒に裏から出てきた大柄な男性がかったるそうに悪態をついた。
その男性は、相手とは対照的な色を身につけ、手をあげてやれやれと肩をすくめた。
お世辞にもスマートとは言い難い体格と鋭い目つき。
衣装を着崩した姿は、とても気質とは言えないだろう。
しかし、彼の姿を映した写真も、朱い男性の写真とそれほど遠くないところに飾られていた。


「なんだとっ!」

「なんだ、やんのか?!」


いつものことであろうに、一々互いの言葉に反応しあい、彼らは穏やかでない空気を作り出す。
しかし、今夜はそのまま言い争いに、とはいかなかった。


「ほらほら、お二人サン。そんなことしてると、そこのお兄ちゃんが怖いんじゃねーの?」


後ろのソファの間から、気の抜けた制止の声が響いた。
誰かと二人が振り返ると、艶やかな長い髪を後ろで纏め、ハンチングを被った青年がひょっこり顔を出した。
青年はにやりと性の悪そうに笑い、人差し指をすっと立てた。
彼の指さす先には、写真を入れ替えながらも二人の言動に目を光らせる、先ほどの男性の姿があった。
ケタケタと笑い歪めた口元に、牙を思わせる両の八重歯がみえた。


「そんなんだと、俺がすぐに追い抜いちゃうかも知んないぜ?」


そういうと、彼は写真が飾られた壁に視線を移す。
そこには、先日よりも位置があがった彼の写真があった。

それをちらりと見、ガタイの良い男性の方が舌打ちをした。


「全く君たちは穏やかじゃないね。」


いつの間にいたのか、少し離れた場所のソファに、もう一人。
華やかながら落ち着いた色合いで、足を組んで座っている。
花瓶から抜いたばかりであろう、手にした薔薇の花がいかにも気障ったらしい。


「僕みたいに大人の余裕がないと、本当のスターにはなれないよ。」


自己愛に浸るように彼は手の花を振り、気取った様子で言う。
開かれた目には長いまつげが縁取り、その熱っぽい眼差しはまるで夢でもみているかのようだった。


「万年二位のくせに……。」


今度はハンチングの青年が膨れてぼそりとつぶやいた。
青年はプイとそっぽを向くと、帽子を深くかぶり直す。横に垂らした前髪が、揺れた。
聞こえているのかいないのか、言われた方はいまだバラの花を手に悦に入っているようだった。


「お前たち、よさないか。」


ついに見かねたのか、先ほど写真の入れ替えを終えた男性が言う。
いくつめかのため息のあと、彼は周囲を見回して言った。



「さぁ、他の子たちも呼んできてくれ。そろそろ開店の時間だ。」


年のころは変わらないはずなのに、彼が年長にみえるのは、きっと個性豊かなここの者たちを長く纏めてきたからであろう。

落ち着いた、しかしどこか鋭さのある彼の声色が響いた。

 



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日記ログのホストパロディ。




 

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2008.10.01 仮想と妄想の狭間。クロ.. c

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